メキシコシティの街並みを歩いていると、屋台でエプロンをしたオジサンが得意げにタコスを焼いている姿をよく見かける。それはメトロを降りた駅周辺に集中していたり、大使館やオフィスビルなどが並ぶレフォルマ通りを一本入った穴場的な裏通りなど、人の多く集まるところほどよく見かける。
このオジサンたちは肉を手際よく焼き、あっという間に細かく切る。タコスの皮もうまいことヒュッと投げたりする。そして「うちのサルサベルデは最高だよ」と自慢もする。

これはメキシコ生活時代にタコスが好き過ぎて愛が止まらなかった食べ歩き回想録です。f:id:soymaquita:20180331140347j:plain

屋台のタコスを愛する前に

メキシコシティでの生活時代、私は「安くて美味しくて手軽に食べれる」タコスにはまっていた。太ってしまうなんて考えもせずに朝から晩までよく食べていた。食べ歩いていると油ギトギトな皮で包んだタコスにも出会うことがある。こんなの毎日のように食べているメキシコ人は樽のように太っていて当然だと思う。屋台のタコスは衛生的にいかがなものかと心配する人も中にはいるけど、メキシコで食を堪能したかったらまずそれは忘れてしまうことが大事。

ガテン系なタコス屋さん

メトロ青線サンアントニオアバド(San Antonio Abad)駅付近に平日の昼間だけ出現していた屋台があった。この近くに友人が住んでおり、曰くこのタコス屋さんはいつもいっぱい人がいるとの情報が。ぬぬぬ。なら行かねばならぬ。人の多い屋台ほど味が一品というのはタコス界の常識。

ここはなんというか、トラックのお兄さんとかが立ち食いでタコスをがっついてるような「ガテン系」。ダイナミックです。はい。どこのタコス屋も辛い系のソースはだいたいトッピングとして好みでつけるという感じだけど、ここは始めっから肉に辛い味付けしてあるので、肉そのものがすでに辛い。トッピング用の玉ねぎもおっきなチレ(唐辛子)と一緒に炒めてあり見るからに辛そうだった。ワイルドなタコスなのだ。そのわりに皮はしっとりしていて美味しかった。

f:id:soymaquita:20180331140353j:plain

バカボンのパパ風なオジサンがお肉を焼いているタコス屋さん

アルバロオブレゴン(Av.Alvaro Obregon)通り(con/Medellin通り)にあるタケリアだった。タケリアとは屋台と違ってタコスをメインとしたメニューを出す食堂のようなところ。店頭ではパストールをジュージューとやっている。パストールとは豚肉をケバブみたいな塊で焼き、それを削り落としてトルティジャ(皮)に乗せ、パイナップルを添えて食べるタコス。えっ?・・・タコスにパイナップル?!私は好みではなかったがメキシコでは人気のメニューのひとつ。

タイルなどを使ったかわいいメキシコ風インテリアの店内では、ちゃんとテーブル席でタコスを食べることができ、オーダーも取りに来てくれる。屋台の立ち食いとは違う。

店の前でタコスを焼いているおじさんはバカボンのパパ風。おでこに白いタオル巻いたらすごく似合いそうな感じの人でとてもやさしい。他の店員さんもとても人懐こく、毎朝の通学時に店の前を通るといつも挨拶してくれた。私はメキシコのこういうフレンドリーなところがタコス同様好きだった。

お昼のランチ時にはコミーダ・コリーダという日替わりランチをやっていて、タコス以外にも食事ができたのでよく学校帰りに寄っていた。

f:id:soymaquita:20180331140348j:plain

こんなオシャレな料理を出すお店にバカボンのパパはいた。

リオレルマ通りの小さな人気屋台

レフォルマ大通りを一本入ったリオレルマ(Rio Lerma)通り(con/Rio Elba通り、Torre mayor裏)に平日の夜だけ出現する屋台があった。いつもモウモウと煙をたて、お肉やノパル(ウチワサボテン)やセボジン(小さい玉ねぎ)を、そしてじゃがバターのようにアルミホイルでくるまれたジャガイモをバーベキューのように焼いている。想像しただけでも人気屋台なのがうかがえる。

小さな小さな屋台の割には店員がやたらと多く、焼く係、オーダー取る係、会計係と分担を決めて、みんなでおそろいのエプロンかけて運営している。客がいつも道にあふれている。

ここのお肉もかなりダイナミック。鶏肉なんかは骨までついてたりしてどーやって立ち食いすんの?な状態で出てくる。(タコスは片手でがっついて食べるもんだと思っているので、骨とんなきゃいけない時点で、あれ?ちょっとめんどくさい?って思う。見た目はインパクト大だが食べにくい、でも味は美味しい)お好みでとろけるチーズをトッピングできたりもする(別料金)

f:id:soymaquita:20180331140349j:plain

石井さんのタコス屋さんでしめタコス

同じくリオレルマ通り(con/Rio Guadalquivir通り・アンヘル近く)にいつもある安心の屋台があった。私はひそかにここを「石井さんのタコス屋さん」と呼んでいた。タコスを焼いているオジサンが、以前の職場の石井さんという人にそっくりだからだ。

ここはなんといっても屋台なのに24時間営業というのがありがたい。近くの繁華街ソナロサで夜遊びした後はだいたいここでタコスを食べてから帰宅。しめのラーメンならぬ、しめタコス。

タコスの味もまたとても美味しい。オアハカチーズをトッピング(別料金)したタコスを頼むと、トルティージャが薄いピザの皮のような感じのタコスになり、ピザを食べているような感じがする。イタリアン風タコス?斬新でけっこう美味しい。オアハカチーズたっぷりなのでボリューム大。お腹にたまる。太る。しかも夜中だぜぃ!チーズなしだとイタリアンではない普通のタコスとなるが、普通のタコスも普通に美味しい。

f:id:soymaquita:20180331140352j:plain
私が帰国した後も、メキシコシティに滞在していた日本人の間で「石井さんのタコス屋さん」と呼ばれるようになっていたそうだ。今もやってるのかな。メキシコ人の石井さん。

圧倒的回数で通いつめたメトロの駅前屋台

メトロチャプルテペック(Chapultepec)駅地上にある屋台。地下鉄を降りて地上にでるとタコス屋さんが5件ぐらい並んでるところがあって、私はその並びの2件によく行っていた。どちらもとにかくボリュームたっぷりで安い。

f:id:soymaquita:20180331140350j:plain
ビステクという牛肉タコスのお肉も大きくて超分厚い。さらにトッピングで茹でジャガイモをたっぷり乗っけてくれる。好みで焼き玉ねぎとノパル(ウチワサボテン)も。このタコス屋の前で椅子に座ってトーレマヨル(レフォルマ通りにそびえ立つ55階建て超高層ビル)を眺めながらタコスにかぶりついていると、「あぁ、メキシコシティにいるんだなぁ」とよく実感していた。

f:id:soymaquita:20180331140351j:plain

すぐ後ろでは海賊版CDを売る屋台からサルサやレゲトンが聞こえ、その横では時計や電池などを売るガラクタ屋台から売り物の目覚まし時計の音がピーピー聞こえている。雨季には暗雲たちこめゴロゴロと雷が鳴り、タコス屋のオジサンたちがひっきりなしに客引きをする。これがメキシコのせわしない市場の音。。。なつかしい。

メキシコの思い出がいっぱいつまったタコスとの思い出。
読んだらタコス食べてみてね。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

スポンサーリンク