近年、ラテンミュージック界から生まれるヒット曲はどれもと言っていいほどアーティスト同士の共演によるものが目立っています。このある一種のコラボ戦略はアーティストたちにとって大きな成功や利益を保証された、ひとつのマーケティング活動であるということがベネズエラのメディアPANORAMA.com.veの記事からわかりました。

f:id:soymaquita:20180403223153j:plain

Photo-http://addictedtoradio.com/hear-pitbulls-new-song-messin-around-featuring-enrique-iglesias/

 「Featuring」とは

ラテン音楽の歌手名でよく見かけるこの”Featuring”や”Feat.”または”Ft.”などというのがその活動にあたり「フィーチャリング」といいます。

例えば・・・

  • 「Rabiosa」Shakira(Feat. Pitbull)
  • 「Te Perdiste Mi Amor」Thalía(Feat. Prince Royce)
  • 「Felices los 4」Maluma(Feat. Marc Anthony)
  • 「Bailando」Enrique Iglesias(Feat. Descemer Bueno & Gente de Zona)
  • 「La Bicicleta」Calros Vives(Feat. Shakira)
  • 「El Perdón」Nicky Jam(Feat. Enrique Iglesias)

ほんのごく一部ですがこのようなタッグの組まれた楽曲は山ほどあり、数えだしたらキリがありません。

しかしこの”Featuring”というのは、本来「共演」という意味ではないようなのです。

実はこの「feat.」という言葉は「featuring」の略です。そして「feature」は名詞で「特徴」という意味で、動詞になると「特徴にする」から転じて「主役に据える」「呼び物にする」という意味があります。

そのため「○○ feat. ××」という表現は、○○ が ××を主役に据えているという意味になります。××が主役な訳ですから、「feat.」の後にくる××が○○より大物である場合が多いです。

引用元−http://press.share-wis.com/feat.%E3%81%AE%E6%84%8F%E5%91%B3 

うっかりただの共演と思ってしまいがちでした。

組む相手によってジャンルの色がでるラテンミュージック

上記したFeatruingの意味を考えると、たしかにFeat.に続くアーティストは大物ばかりです。そしてここで注目できるのが、ラテン音楽にはサルサやバチャータ、レゲトンなどのジャンルが存在していますが、フィーチャリングしている歌手がその分野での大物であることが多く、その曲自体が大物の歌う曲のジャンルになっているというところです。

たとえば2017年に世界中で視聴されたルイスフォンシ(Luis Fonsi)の”Despacito”はレゲトン歌手のダディヤンキー(Daddy Yankee)とジョイントし、レゲトンとして大ヒットしました。エンリケイグレシアス(Enrique Iglesias)の”Loco”という曲はプリンスロイス(Prince Royce)と組みバチャータとしてヒット。また、同じく2017年にヒットしたマルマ(Maluma)の曲”Felices los 4″のようにマークアンソニー(Marc Anthony)の登場するものはほとんどがサルサバージョンとして歌われていますね。なかには”La Gozadera”のように例外もありますが。

“Featuring”は近年に始まったことではなかった

キューバ系でマイアミ出身のラッパー歌手ピットブル(Pitbull)は、最近では「コラボ王」としてよく知られていますが、これまでに47もの曲をジェニファーロペス(Jennifer Lopez)やマークアンソニー、クリスティーナアギレラ(Christina Aguilera)などをはじめとする異なった歌手とタッグを組んでいます。そんな彼は2004年頃からリルジョン(Lil Jon)というラッパー歌手を迎えてジョイントしていました。

また、もっと遡ると1990年にラ・インディア(La India)があの有名なデュエット曲”Vivir lo nuestro”をマークアンソニーと歌っています。


La India & Marc Anthony,Vivir lo nuestro,La combinacion Perfecta,Salsa,fullscreen,HD 720p

互いにとって好都合な”Featuring”

Despacitoを歌ったルイスフォンシのように、もともとあまり有名だったとは言えない歌手にとっては、大スターと歌うことによって成功をおさめ、セレブリティの仲間入りを果たせるかもしれないというチャンスが生まれます。迎えられた歌手側はすでに大物入りを果たしている場合が多いので、キャリアを一気に飛躍させるといった恩恵を求めてるというよりも、むしろ自己の歌手活動のプロモーションの一環としていることが多いようです。

PANORAMA.com.veの記事によると、アーティストを迎える歌手側は、ビデオクリップの撮影やプロモーションにかかる費用をいっさい請け負い、迎えられる側の歌手はギャラは受け取らずに、楽曲が売れた場合の収入の分配を受けるのみのようです。

曲ごとに契約や取り決めが行われ、契約内容も流動的であったりと様々なようですが、いずれにせよ互いに好都合であるのは間違いなく、そしてやはり先の引用にもあった「○○ feat. ××」は××の方が大物であるという形式にのっとったビジネスが主流のようです。

ロメオサントスは少し違った戦略だった?!

バチャータ歌手のロメオサントス(Romeo Santos)は、その主流とは少し違ったパターンを辿ってきた歌手の一人。アベントゥーラ(Aventura)というバチャータグループを解散して以来ソロで活躍。彼はFeaturing として歌手に迎えられることはあっても、自己のシングル曲に大物を迎えることはなかったようです。

Fólumura ⅠとⅡという彼のアルバムでは多数の歌手を迎えているものの、それはロメオがソロとして活動する中で制作したアルバムを豪華に彩るためのゲスト歌手のような立ち位置で、それこそ「共演」として参加してもらっているそうです。

さいごに

2016年ごろから顕著にこのような”Featuring”が目立ってきました。最近ではもはやもう大物が大物を迎え入れているのも当たり前になってきていて、豪華な楽曲がどしどし生み出されている感じがします。ものすごいスピードで変化していくラテンミュージック界。これからの動向も楽しみですね。

【参照記事】El negocio redondo del “Featuring”

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

スポンサーリンク