ここ近年、日本では5月頃になると都内で『シンコデマヨ』という巨大なイベントが開催されています。スペイン語を知る人はラテン系のイベントかなって想像がつくけども、そうでない人はシンコデマヨとは一体何?と思うかもしれません。

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Photo http://feelgrafix.com

シンコデマヨの意味とは

シンコデマヨ(Cinco de mayo)とはスペイン語で5月5日という意味です。では一体5月5日がどこの国の何の日にあたるのでしょう・・・。

実はこの日はメキシコで「プエブラの会戦」というフランス軍との戦いにおいて歴史に残った日なんだそうです。しかしなぜかその日をメキシコ以上にアメリカでお祝いされているという少し変わった日でもあるのです。

メキシコでは5月5日は平日

5月5日は、メキシコのプエブラという都市で起こったフランス軍との戦闘で、圧倒的な勢力を持つという敵の侵攻をメキシコ軍が奇跡的に撃退したという英雄的な日。

メキシコでは歴史に残るような日付や人物が街の通りの名前になっていたりして、実際にシンコデマヨ(5 de mayo)という名の通りがどの街にもあります。なので何かのあった日なんだなという程度の認識ではありました。

というのも実はこの日はメキシコ全土では法定休日(祝日)ではありません。プエブラをはじめとするいくつかの州では祝日となっているみたいですが、私がメキシコで生活をしていた経験ではこの日は普通に仕事をしていた「平日」でした。

アメリカでシンコデマヨを祝うようになった起源

少し引用をまじえて説明しようと思います。

・1960年代には、「チカーノ」というメキシコ系アメリカ人の活動家たちが、自らの誇りを確認するため本格的にこの日を祝うようになったという。
・メキシコ系アメリカ人やほかのヒスパニック系アメリカ人の誰もがこの祝日が持つメッセージ性に誇りを感じ、勇気づけられている。

引用元−http://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/news/14/2655 /

「この日」というのは言うまでもなく5月5日、シンコデマヨです。かつてアメリカで差別を受けていたというメキシコ系の人たち(チカーノ)がアメリカで生き抜く自分たちの姿と、プエブラの戦いで圧倒的な勢力を持つフランス軍を撃退したというメキシコ軍の勇敢な姿を重ね合わせて、自分たちのアイデンティティをシンコデマヨで表すようになったわけですね。

商業化されて本来の趣旨から少しずれてしまった祝日

日本でいうとバレンタインデーやクリスマス、ハロウィンなどは本来の趣旨など忘れ去られてしまったかのような商業化されたイベントとして思いつきますが、シンコデマヨもどうやらアメリカでは似たようなイベントといえるようです。

コロナビールがシンコ・デ・マヨを強調したTVCMを流したあたりから、その流れに乗ってか、5月5日はテキーラのショットやマルガリータ(テキーラのカクテル)を飲みましょうと煽り立てるバーやらレストランやら酒屋が勃興したのだ

引用元−http://gri.jp/report/case-study/5054

これがきっかけで本来の意味からずれてしまい、シンコデマヨがメキシコ風にお祭り騒ぎをする日みたくなってしまったのかもしれません。アメリカでは多くの人たちがシンコデマヨをメキシコの独立記念日と勘違いしているようです(メキシコの独立記念日は9月16日)。

しかしその裏にはこのような背景もあります。

ただメキシコ系アメリカ人の立場からすると、この変貌を快く思ってない人もいるようだ。朝から飲んだくれてる大半はメキシコとは何の縁もない白人なのに、そんな飲みっぷりとメキシコの記念日を結び付けられてあたかもメキシコ人が怠惰な酒飲みであるかのように見られるのが迷惑だという陳情がメキシコ人団体から寄せられてたりもする。

引用元−http://gri.jp/report/case-study/5054

これもけっこう重要なところで、私としてはシンコデマヨが持つ2番目ぐらいのメッセージ性としてみんなに知っててもらいたいぐらいです。

ある部分、メキシコの被害妄想的なところもあるかもしれない。でも確かにメキシコをイメージしたアメリカ人というと、ソンブレロ(とんがり帽子)をかぶってコロナビールやテキーラを頬をピンクに染めながら騒ぎ、飲んだくれている感じがします。その姿が少し、アメリカ人がメキシコ人を見下しているように見えなくもないからです。

これはあくまでいち日本人が抱いている単なるイメージにすぎないですが、そうイメージしてしまう要素とか歴史的な背景がアメリカとメキシコの関係には何かしらあると思うんです。それについて意見を言いだすと鶏とたまご的な話になる上に、なんだか危険な記事になってしまいそうなのでこの辺にしておきます…。

とにもかくにもこういった背景があるかぎり、どんなに祭り好きなメキシコでもアメリカのシンコデマヨがメキシコに逆輸入されるなんてことはきっとありえないだろうし、それ以前にメキシコではシンコデマヨのお祭り騒ぎ自体が受け入れられていないというかおりがぷんぷんします。

どうりで5月5日の影がメキシコでは薄いわけだ…。


What Cinco de Mayo Is All About | NBC News

日本のシンコデマヨのイベントは毎年5月

そのアメリカで作り上げられた「シンコデマヨ」というお祭りが日本にもそのまま上陸しました。毎年5月のゴールデンウィークあたりに都内で開催されていますが、近年では大変な盛り上がりを見せています。

メキシコ発祥の祝日でありつつもアメリカがワンクッションとなり、さらに日本だとラテンアメリカ諸国の食べ物や音楽などをいろいろ紹介する巨大な「ラテン系イベント」というのが色濃い。そのためか、それこそ趣旨も少し変わってきており、もともとのメッセージ性なども薄れてしまっている感じはあります。

いろいろと探ってみるとシンコデマヨとはなかなか奥の深い行事であることがわかりました。ぐうぜんにもこの記事を読んでくださったかたには、シンコデマヨの背景などを少しでも感じながらアメリカン・メキシカンなイベントを楽しんでもらえたら嬉しいななんて思います。

■第6回シンコデマヨ東京

日時:2018年5月12日(土)、13日(日)

場所:お台場・夢の広場(シンボルプロムナード公園内)

ホームページ:http://www.cincodemayo.jp

最後まで読んでいただきありがとうございます。

 

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